“予約制”の医院と“予約でない”医院があります。どちらにするか悩みましたが、当院では開業当初から当日予約(優先)制を選択しています。
予約制について当院が最も重要視したのは、待ち時間中の院内感染を少しでも減らす事です。小児科の待合室は感染症の危険でいっぱいです。
予約制ではすぐに見てもらえないとか、予約をしないといけないなど不自由を感じる方があると思います。しかし、“安全な家で待つ”というのは選択肢の一つではないでしょうか。しかも、受付に行かなくても順番がとれる、都合のいい時間が選べる(空いているときだけですが)など、こどもたちや親御さん方のメリットはたくさんあります。
また、緊急の場合はどうするの?との不安を感じる方もあるようです。もちろん、当院が「緊急」と判断した場合は予約の限りではありません。
急病センターは朝6時までで終了します。また、一般の医療機関は朝9時から診察開始するところが多いようです。
そこに数時間の診療の空白時間が生じます。
個人的な努力には限界がありますので完全に空白を埋める事はできませんが、ほんの少しでも役に立ちたいとの気持ちで1時間だけですが、早めに診察を開始しています。この気持ちに対してスタッフも頑張って応援してくれています。
7時30分頃から電話対応しています。
学校や幼稚園などが始まる前の診察にも利用できます。
発熱、咳、鼻水、嘔吐、下痢、発疹のほとんどが感染症の症状です。小児科外来には、多くのこどもたちが感染症で来院されます。
即ち、「うつる病気」です。
診察に来て他の病気をもらって帰る(院内感染)のは嫌ですよね。どこの小児科診療所でも感染症の院内感染には注意を払っています。
完全な個室にして部屋ごとの個別換気を実現している医院もあります。しかし、当院ではそこまでの完全院内感染予防設備を設置できませんでした。
出来る範囲での対応として、時間的隔離と空間的隔離を確保することに努めました。個室を増やして空間的な隔離(2つの一般診察室。2つの感染症用個室。赤ちゃん専用の待ち合いスペース)を確保し、また、乳児健診やワクチン接種を別枠にして時間的な隔離を確保しました。
さらに診察時間を予約優先にして病気との接触時間の短縮に努めています。
対応の基本は、「うつる病気の患者さん」への接触機会を減らし、さらに接触時間を短くする事です。
それでも待合室が混雑するときには、無線のカードをお渡しして車などで待っていただく事もあります。イオン等のフードコートに使用しているのと同じで、診察時間が近づいたら連絡します。
その他としてオゾン空気殺菌機やプラズマクラスターなどの空気清浄機を稼働させています。また、壁や天井、ブラインド、カーテンなどは「空気触媒処理」を施してウイルス等が付着しても生存しにくくなっています。待合室の造花や観葉植物には光触媒が施されており、さらに植木鉢は災害時用のトイレにもなります。成人用スリッパは紫外線殺菌器を設置。こども用スリッパや玩具類は、最低1日1回のオゾン殺菌で清潔を保てるよう配慮しています。
小児科外来を訪れるこどもたちの多くは風邪ひきなどの感染症です。発熱、嘔吐、下痢、せき、鼻水、鼻づまりなどが代表的な症状です。全てからだを守るための反応といってもいいでしょう。
当院ではこれらの病気や症状に対して少しこだわりを持って対応しています。
発熱 | 解熱剤は、からだをしっかり休ませてあげる目的で使用をする事があります。38.5℃以下では意味がありません。ただし、鎮痛剤(頭痛薬など)としては体温に関係なく使用します。 »詳しく |
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熱性けいれん | あわてないことが、大事です。»詳しく |
嘔吐 | あわてて吐き気止めを使う必要はありません。»詳しく |
下痢 | 整腸剤のみ。 »詳しく |
せき | 咳止めは使わずに去痰剤のみの処方です。»詳しく |
鼻水・鼻づまり | 鼻づまりの特効薬はありません。また、鼻水止めは使用しません。 »詳しく |
抗生物質 | 抗生物質の適正使用を心がけています。 »詳しく |
風邪には漢方薬 | 風邪には漢方薬を多用します。 »詳しく |